最後の、大きな発表です。歴史的瞬間。
— 橘大地〓 (@d_ta2bana) September 4, 2020
本日、総務省、法務省、経済産業省連名で、クラウドサイン等の事業者署名型電子契約サービスが電子署名法第3条に準拠し得る、
つまり、民事訴訟にてクラウドサインで締結した契約書も、文書の真正性の推定効が及ぶことになります。https://t.co/BdK3nZu0pR pic.twitter.com/nmdgqyhELt
エンタープライズ導入のカギは、クラウドの外側の整備
昨年10月にクラウドサインが4周年を迎えた際、橘氏は「日本中に電子契約を浸透させていく上で、次の1年はエンタープライズ市場への本格参入を目指す」ことを自身のnoteで言及していた。
それから1年弱。クラウドサインの導入企業のラインナップを見ても、トヨタ自動車、サントリー、みずほ証券、野村証券、東京海上日動、大和ハウス工業、リクルートなどエンタープライズど真ん中の企業名が増えてきた。
「良いペースでは来ているものの、やはり今でも顧客企業の担当者からは『クラウドサインを使った契約を相手先に提案したけど断られた』という声を聞くことはあります。本当の意味で電子契約を普及させるためには、経団連に所属するような日本を代表する企業の方々にも普段から使ってもらえるサービスにしなければならない。そこが次の山場です」(橘氏)
そのためにはプロダクトの磨き込みはもちろん、「契約業務をオンラインに乗せるための手助け」をどれだけできるかがキモになるという。
たとえば印章管理規程を基に誰がどのハンコを押していいのかを明確に定め、契約についてのワークフローをカチッと作っていた企業がクラウドサインを導入する場合、「誰にIDを発行するべきか」「電子契約へ移行するにあたってワークフローをどのように変えるべきか」といったポイントを1つ1つクリアしていかなければならない。
これはいくらクラウドサインのUI/UXを改善したとしてもそれだけでは不十分で、顧客に向き合いながら「契約業務のデジタルシフト」を支えていく必要がある。
「クラウドサインの強みは、これまで10万社にサービスを提供してきたことでノウハウが蓄積されていること。まさに昨年から大企業向けに有料のコンサルティングサービスも始めていて、導入企業側が不便を感じることなくクラウドサインに移行できるような体制を整えて来ました。『クラウドの外側の整備』こそがすごく大変で、そこをどれだけやり切れるかが勝負の分かれ目になると考えています」(橘氏)
データ活用で「契約の新しい形」を提案
もう1つ、橘氏が今後の注力ポイントに挙げるのが「契約データの活用」だ。
弁護士ドットコムでは8月に契約マネジメントシステム「クラウドサインAI」をローンチしている。この新サービスはクラウドサインや紙で締結された契約書をアップロードするだけでAIがその内容を解析し、契約先企業名、契約開始日、終了日などの情報をデータ化してくれるというもの。これによって「契約の締結時」だけでなく、「過去の契約書の管理・有効活用」にもクラウドサインが使えるようになった。