subsclifeでは返却された家具は二次流通業者に販売し、自分たちはあくまで新品の家具のみを提供するため家具ブランドと対立することがない。だからこそ、初期から家具メーカーと連携が進み、現在400以上のブランドと連携することができているという。

「家具ブランドもサブスクには興味があって、挑戦したいという気持ちはある一方で自社でやるのは難しい。サブスクのファンクションを自分たちが担うことで、お互いにとってメリットのある形を作れています」(町野氏)

30億円調達で認知拡大目指す、投資家とは事業連携も

新型コロナウイルスの影響で特に法人のニーズが増加。サブスクモデルはwithコロナ時代に合った課金体系だと町野氏は話す
新型コロナウイルスの影響で特に法人のニーズが増加。サブスクモデルはwithコロナ時代に合った課金体系だと町野氏は話す

今回subsclifeでは約30億円の資金を集めたが、投資家からは特にどのような点を期待されているのか。町野氏に尋ねてみたところ、2つのポイントがあるという。

1つはwithコロナ時代にあったサービスであること。ここ数年で社会的にもサブスクが徐々に浸透し始めていることに加え、特に法人では今まで以上にキャッシュフローを気にする傾向が強くなることも考えられる。

「過去の歴史を振り返っても、経済的に不安定な状態の時にはリース型のビジネスが伸びてきた」(町野氏)という時代背景もあり、実際に直近でsubsclifeの実績も伸びてきていることが投資家から評価されたそうだ。

そしてもう1つが家具マーケット自体が兆単位の規模を誇り、subsclifeの課金モデルがこの市場で一定のシェアを獲得できる可能性があること。この点については投資家によっても考えが二極化していて、今だに「このモデルでは絶対に難しいと思う」と言われることもあるという。

「ゆくゆくは個人も法人も部屋の中にあるものはsubsclife経由で利用している状態を作るのが理想です。チャレンジングではありますが、そこまでいけばユニコーンクラスの規模も見えてくる。(今回の投資家には)そこに大きく期待していただいているので、まずは家具における『ZOZOTOWN』のような形でしっかりと認知を広げ、インテリア領域に拡大していきたいと考えています」(町野氏)

今回新たに加わった投資家陣は事業会社やCVCが中心。各社とはシェア拡大に向けた事業提携も見据えているという
今回新たに加わった投資家陣は事業会社やCVCが中心。各社とはシェア拡大に向けた事業提携も見据えているという

今回調達した資金はシェア拡大に向けたマーケティングへの投資などに用いる計画。町野氏はsubsclifeの勝ち筋は「どれだけ認知を拡大できるか」にあると述べ、今回のラウンドでは事業連携も見据えて戦略的に事業会社やCVCから資金を調達したという。

具体的な取り組みについては今後発表する予定とのことだが、各投資家ともタッグを組みながら、家具を軸とした“インテリアのサブスク”をさらに普及させていくことを目指す。