台湾政府デジタル担当大臣のオードリー・タン氏 画像提供:LINE

 

未曾有の危機に対して、どのように対応するか──新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染対策では、各国の政府が危機管理能力を見せる機会となった。

震源地とされる中国の隣、台湾ではロックダウン(都市封鎖)をすることなく、新型コロナの抑え込みに成功した。LINEが9月11日に開催した年次イベント「LINE DAY 2020」では、台湾政府でデジタル担当大臣を務めるオードリー・タン氏(Audrey Tang、唐鳳)がオンラインで現地から参加し、台湾のコロナ対策、AIの未来などについて語った。

高速、公平、そして楽しい──台湾の新型コロナ対策

9月16日現在、台湾の新型コロナ感染者は累計500人、死者は7人だ。各国と比較しても、その数は圧倒的に少ない。なぜ台湾は新型コロナの抑え込みに成功したのか。タン氏は台湾の新型コロナ対策として、3つの"F"があったと明かす。そのFとは「
Fast(高速)」「Fair(公平)」「Fun(楽しい)」だ。

これらについては、次のタン氏の話を聞けば伝わってくる。まずは”高速”について、タン氏はこのように語る。