10月8日、ランサーズはオンラインメンターサービス「MENTA(メンタ)」を運営するイリテクの発行済株式の100%を取得し、グループ会社化したことを発表した。買収金額は約2億円。

今後、ランサーズはLancersとMENTAの相互連携を深め、ユーザー提供価値の最大化を目指していく。具体的にはランサーズに登録したてのフリーランスに対して、MENTAで教育支援を行うほか、知識・技術を得たフリーランスには“教える”場所を与えることで新たな収益源を提供するなど、会員内でのエコシステムの構築を目指すという。

平均110%で成長、月間流通額は2000万円を突破

MENTAは「教えたい人(メンター)」と「学びたい人(メンティー)」をオンラインでマッチングするオンラインメンターサービス。現在、約1500人のメンターが登録しており、約1万9000人のメンティーが利用している。

運営元であるイリテク代表取締役の入江慎吾氏は、もともとフリーランスとしてシステムの受託開発を行っていた人物。単発の受託開発ではなく、継続的にシステム開発を行う仕組みを構築し順調に売り上げを伸ばしていたが、次第に「自分のサービスを作ってみたい」という思いが強くなり、受託業務をやめ、2018年6月にMENTAを立ち上げた。

立ち上げ当初はプログラミングやデザイン、英語学習、起業など、あらゆるジャンルを取り揃える“スキル学習の総合デパート”のような形だったが、運営を続けていく中で「プログラミングスクールよりも安価で気軽にプログラミングを完全非対面で学べる」点がエンジニアたちから支持され、利用者を増やしていった。

 

「プログラミングを学ぶ方法はさまざまありますが、プログラミングスクールは月額20〜30万円の費用がかかるので誰もが気軽に通えるわけではありません。また無料のプログラミング学習ツールを使ってプログラミングの基礎を学んでも、実際に仕事する際に壁を感じてしまう人も多くいます。MENTAは両者の中間的なサービスとして、エンジニアを目指す人たちのニーズを汲み取れたことで伸びていったと思います」(入江氏)

入江氏によれば、1500人のメンターのうち600人がエンジニアだという。エンジニアを中心に口コミベースで利用者が拡大。2020年の流通総額は平均110%の月次成長率を記録しており、2020年9月時点の月間流通額は2000万円を超えている。

ここまでサービスが大きくなると思わなかった

サービスを開始してから2年。MENTAは右肩上がりで順調に成長を続けているが、その一方で入江氏は「正直、ここまでサービスが大きくなると思いませんでした」と本音を漏らす。もともと、MENTAは個人の開発プロジェクトとしてスタートしていたこともあり、月間流通額が2000万円を超える規模に成長するとは想定していなかったのだ。