「女性の取締役がいない企業の上場(IPO)は支援しません」
米ゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモンCEOは2020年1月、米CNBC(ニュース専門放送局)のインタビューで取締役の多様性について、自身の考えを明かした。
対象は米国と欧州のみで日本を含めたアジアでの適用は見送られるが、ここ数年で環境や社会貢献、企業統治を重視する「ESG投資」の流れが世界的に加速。機関投資家は女性活躍情報の開示を企業に求め、それを投資判断の材料とするようになっている。
実際、内閣府男女共同参画局が実施した機関投資家へのアンケート結果によれば、9割近くの機関投資家が「ダイバーシティの確保がイノベーションに繋がることが期待できる」と回答。企業における女性活躍の情報を重要視している。
しかし、日本の上場企業における女性役員の登用はまだまだ課題も多い。第2次安倍内閣は「女性活躍」の推進を重要施策のひとつとし、「2020年度までに指導的地位に女性が占める割合を30%にする」「上場企業役員に占める女性の割合を早期に5%、さらに2020年までに10%を目指す」といった目標を掲げていた。しかし、達成の見込みが立たず、「20年代の可能な限り早期」という方針になるなど、目標は先送りされることが決まった。