10月21日からはShopifyで構築したオンラインショップの公式アプリが作成できる「Appify for Shopify」を提供開始予定
10月21日からはShopifyで構築したオンラインショップの公式アプリが作成できる「Appify for Shopify」も提供予定

ソフトウェアの力でたくさんの人にスーパーパワーを

Appify Technologiesでは当面はAppifyの基本機能の磨き込みに注力する。まずは最低限の機能を実装した上でリリースしたため、この4カ月でユーザーから良い反応を得られた反面、課題もいくつか見つかった。

「BASEのショップオーナーさんに共通するのが、自分のお店の世界観を大切にしているということ。“自分のお店感”を出すために細かいことにこだわりたい、お洒落なアプリを作りたいという要望も多く、規模が大きくなるほどそこにかける思いが強いです。これからより多くの方々に使ってもらうためには、テンプレートの拡充を始め、お店の世界観を出せるような仕組みをもっと充実させることが必須だと感じています」(福田氏)

またAppifyを使えばアプリを開発する必要はないが、Appleのアカウントはショップオーナー自身で取得しなければならない。それが思ったよりも難易度が高く、一定数離脱してしまうケースがあるため、動画ガイドを作るなど対応を進めているという。

こうした細かいアップデートと並行して、少しずつアドオン型の拡張機能も準備する。基本機能については、初めて使うユーザーでも迷わないようにシンプルさを保ちつつ、慣れてきたユーザーがより高度な分析やマーケティング施策の自動化などを試せるような仕組みを作る予定だ。

今回調達した資金はまさにこれらの取り組みを加速させるためのもの。大部分はAppifyの競争力に直結するエンジニアの採用に当てる。

「自分たちのビジネスは『ソースコード(技術)ありきで、それをどうやって買ってもらうか、マネタイズしていくか』を追求するタイプだと考えています。だからこそエンジニアの実力がプロダクトの勝敗に大きな影響を及ぼすし、勝ち筋もいかに良いエンジニアを採用して、他が真似できなプロダクトを作れるかにある。今回の調達はそのためのチームを作っていくことが目的です」

「たとえばShopifyは1000人体制で1つのECプロダクトを作り上げているため、1つ1つのお店が数百万円かけてECアプリを作るよりも良いものを作れますし、それがユーザーにとっての大きなメリットでもあります。僕たちも同じような体験を実現していくために、コアとなるエンジニアを集めなければなりません」(福田氏)

Appifyは福田氏を含む3人のコアメンバーが全員エンジニアであるほか、業務委託として関わっているメンバーも6人中5人がエンジニアの技術者集団。今後もエンジニア比率9割を維持しながらチームを強化していく方針で、条件を満たした業務委託のメンバーにはストックオプションを付与するような取り組みもしているのだという。