hokanはこれまでにも複数の投資家から資金調達を実施済み。Sansan以外の投資家3社はすべて既存株主であり、そのほかにも過去にCoral Capitalやセゾン・ベンチャーズなどから出資を受けている。

大量の紙をデジタル化、保険代理店のDXを後押し

hokanは顧客情報や契約情報をクラウド上で一元管理できる保険代理店向けのSaaSだ。

同サービスでは個人・法人問わずすべての顧客情報を集約し、あらゆる条件に応じて情報を取り出すことが可能。顧客の家族情報などを紐付けて関係性を把握したり、顧客へのアクションやメモのログを時系列で蓄積したりといったように、最適な保険商品を提案する上では欠かせない機能を盛り込む。

契約情報の管理画面
契約情報の管理画面
顧客ごとにアクションや行動の変化をタイムライン形式で記録できる
顧客ごとにアクションや行動の変化をタイムライン形式で記録できる

 

特に2016年に改正保険業法が施行され、保険代理店はこれまで以上に正確に情報を記録することが求められるようになった。顧客の契約に対する意向を適切に記録する「意向把握義務」と、顧客の希望条件に該当する保険商品をすべて提案しなければならない「情報提供義務」が定められ、この義務がきちんと果たされているか、本部では各拠点の動向をチェックする必要もある。

hokan代表取締役の尾花政篤氏によると、多くの代理店では今までこれらの意向把握を“大量の紙”で管理してきたそう。商談の度に紙が発生し、それを長期間に渡って保管し続けるために倉庫を借りて余計なコストがかかる。そんなケースも決して珍しくはないという。

代理店の業務を支援するシステム自体は存在するものの、十数年前に立ち上げられたものが中心で、使い勝手の面で改善の余地が大きいそう。結果的にシステムを取り入れているにも関わらず、紙と併用している企業もいる。

またSalesforceが展開する保険事業者向けのCRMソリューションなど品質の高いシステムもあるが、価格面などがネックになってすべての企業が気軽に導入できるわけではない。

その点hokanは、10名前後の中小規模の代理店でも取り入れやすいように、従業員(1ID)あたり数千円で使えるSaaS型のサービスとして提供する。

「機能面は充実しているが高価格なシステムと、安価ではあるものの機能面で改善の余地が残るシステムのどちらかしか存在しないような状態でした。hokanでは中小規模の代理店でも導入しやすい料金体系で、使い勝手が良く、当たり前のように日々アップデートされるプロダクトを提供していくことを目指しています」(hokan事業責任者の松元勇人氏)