推薦に特化したビジネスSNSをリファレンスチェックに活用

現在Parameでは個人向けの「Parame」と法人向けの「Parame Recruit」を運営している。

Parame代表取締役の岡野亮義氏が「第三者からの推薦機能に特化したLinkedInのようなビジネスSNS」と紹介する個人向けのサービスは、仕事仲間や友人からもらった推薦文を“信用スコア”としてさまざまなシーンで使えるようにすることを目指したものだ。

Parameでは仕事仲間同士で推薦文を書きあえる。蓄積された推薦文は案件に応募する際などに、自分の「信用」を補完する指標として使える
Parameでは仕事仲間同士で推薦文を書きあえる。蓄積された推薦文は案件に応募する際などに、自分の「信用」を補完する指標として使える

その1つの用途が企業と仕事をする際のリファレンスチェック。企業はParame Recruitを通じてParameアカウントを持つ個人ユーザーを対象に案件を募集できる。その際に応募者のParameアカウントに掲載された推薦がリファレンスチェック用の情報になるほか、追加で推薦状の依頼をすることも可能だ。

追加のリファレンスチェックをしたい場合は、Parame Recruit上で「どういった質問を」「どのような人に回答してもらいたいか」を入力フォームから選べばいい。依頼があった場合には応募者側にチャットで通知が届くので、条件に該当する知人に回答をお願いして追加で推薦文を集める仕組みだ。

法人向けのParame Recruitでは、案件を募集するだけでなく、追加で細かいリファレンスチェックを実施することも可能。オンライン上で「どういった質問を」「どのような人に回答してもらいたいか」を選択すればOKだ
法人向けのParame Recruitでは、案件を募集するだけでなく、追加で細かいリファレンスチェックを実施することも可能。オンライン上で「どういった質問を」「どのような人に回答してもらいたいか」を選択すればOKだ
リファレンスチェックの結果画面
リファレンスチェックの結果画面のイメージ

岡野氏の話では、業務委託や副業の場合でも特に高単価の案件についてはリファレンスチェックのニーズが大きいそう。「クラウドソーシングなどで発注するのにハードルを感じている企業も多く、Parame Recruitを使うことで安心して進められるようになる」という。

一方で個人ユーザーにもメリットがある。上述したとおり回答の一部はParameに推薦として蓄積されるので、次の案件に応募する際の「信用情報」として活用できるからだ。

現時点では募集の掲載とリファレンスチェックが上限なしで実施できる月額制のプランと、リファレンスチェック1件あたり数千円の従量課金プランを展開。他の求人サイトからの応募に対してリファレンスチェックの仕組みだけを切り出して使うこともできる。

5月26日にParameを、6月1日にParame Agentをスタートして6カ月強の現在、個人ユーザーが600名ほど、企業ユーザーが50社ほど登録している状況とのことだ。

ビジネスや生活シーンで使える信用スコアの創造目指す

岡野氏は上智大学在学中に起業し大学を中退。その後中途入社したアクセンチュアを経て、2020年2月に「個人の信用のアップデート」をミッションにParameを創業した。

Parame代表取締役の岡野亮義氏
Parame代表取締役の岡野亮義氏

個人の信用に関心を持ったのは大学時代の経験が大きい。大学内の成績や評価は「かなり悪かった」というが、プログラミングなどができたため、学外では「学生なのにすごいね」と言われることも多く、評価のギャップを感じた。