そこで開発したのが植物由来の素材でできた代替マグロです。藻類やバンブーファイバーが主な成分で、着色には野菜を使っています。シンプルでヘルシーな代替タンパクです。

KULEANAが開発する代替マグロ
KULEANAが開発する代替マグロ

──どのようなユーザーがKULEANAの代替マグロを食べるのですか。

KULEANAのユーザーは、環境保護や動物愛護への意識が高い人たちから、健康に気をつけている人たちまで、さまざまです。ベジタリアン(菜食主義者)やビーガン(卵やチーズ、魚などを含む動物由来のものを一切口にしない完全菜食主義者)だけではありません。「マグロを食べたいけど、水銀を摂取したくないから」という人たちもいます。意識の高い新しい、物好きな人たちからも注目されています。

マグロを代替しようと決めた理由は、比較的高価な魚なので、同等もしくはより低価格な代替食品を提供できると考えたからです。加えて、例えば植物由来のフィッシュスティックでは面白くないなと思い、まだ成功事例のない植物由来の素材を使ったマグロの赤身を開発するに至りました。

──Prusさんご自身はビーガンですか。

ビーガンになろうとチャレンジしてみたのですが難しく、“ほぼ”ビーガンといった状態です。「80パーセントビーガン」と説明することが多いです。いつも自分で買い物をして自宅で食事をするのであれば簡単なのですが、外出したり誰かに会ったりすることもありますからね。KULEANAでは完璧主義を目指してはいません。完全にビーガンのメンバーもそうでないメンバーもいます。お互いを尊重し、いいプロダクトを開発するのみです。

──KULEANAの代替マグロはどこで食べられますか。

KULEANAの代替マグロは全米展開するハワイ料理専門店「Poké Bar」のポキボウル(ポキ丼:白米にマグロの赤身などをのせたハワイ料理)や、カリフォルニアを中心に展開するオーガニックスーパー「Erewhon Market」の寿司などに採用されています。今はBtoB展開がメインですが、数カ月後にはD2Cビジネスも開始する予定です。

KULEANAの代替マグロを使ったポキボウル
KULEANAの代替マグロを使ったポキボウル

今後は商品ラインナップを増やし、植物由来の素材で作ったスモークサーモン、マリネ、エビやカニなどを展開していきたいと考えています。

──日本での展開は視野にありますか。

名前は明かせませんが、すでにパートナーになりうる企業や人々とは会話をしています。消費者が何を求めているのかなど、日本市場についてはもっと詳しく知りたいと思っています。