これまではWantedlyの有料プラン利用企業であれば完全無料で使えることもあり、3サービスのベータ版は述べ約1900社が利用。以前から2022年8月期中には有料化(正式版ローンチ)を進める予定ではあったものの、計画通り正式版リリースに踏み切ったのは一定の手応えを得られたからでもあるという。

「このプロダクトのためだけにお金を払って使い続けたいといってくださるユーザーの方が一定数出てきたことが大きいです。また(テレビCMの効果などもあって)Wantedly自体を全く知らなかった人が、今回のプロダクトをきっかけに既存プロダクト自体にも興味を持ってくださるような例も出てきました」(川崎氏)

エンゲージメント事業が加わることで、ウォンテッドリーとしては「採用後」の従業員の定着や活躍の支援にも対応できるようになる
エンゲージメント事業が加わることで、ウォンテッドリーとしては「採用後」の従業員の定着や活躍の支援にも対応できるようになる。画像は同社の2021年8月期Q3決算説明資料より

もともとウォンテッドリーがエンゲージメント領域のプロダクト群を始めた背景の1つとして、既存のプロダクトで「新たなメンバーを採用するまで」を支援するだけでなく、「採用した後の定着や活躍」についても支援していきたいという狙いがあった。

特にコロナ禍においては新規の採用を抑える一方で「既存メンバーに辞めて欲しくない」「さらに活躍してほしい」というニーズが拡大。エンゲージメント領域のプロダクトを展開することが顧客の要望を満たすだけでなく、既存顧客への付加価値の向上とともに、従来より提供する採用サービスのWantedly自体の解約率の低減にもつながる。

正式版提供に伴い、Engagement Suiteに設定された無料枠は、Wantedlyのライトプラン導入企業は100人、スタンダードプランは200人、プレミアムプランは400人。それを超える場合には1プロダクトにつき1人あたり600円で利用できる料金体系に変わる。

まずはすでにWantedlyを活用している企業が主なターゲットになるが、ゆくゆくは独立したサービスとして展開していくことも検討する。新機能の追加や機能改善にも継続して取り組み、まずは9月中にPulse内に「1on1」機能を実装。従業員サーベイと連動して、アジェンダの設定や対話メモ・ネクストアクションの管理などがよりスムーズに行える仕組みが加わる予定だという。