一方で変わらない事実もあります。それは、「アポを取らないと商談は始まらない」ことであり、「よいアポを取らないと、いい商談には繋がらない」ことです。

新規営業に強い会社では 「アポを取ったヤツが一番偉い」 という言葉がありますが、これはインサイドセールス従事者への、単純な〝ねぎらい〞ということではなく、むしろ営業の核心に迫る格言だと思います。

では、そもそも新規顧客と接点をもつための方法はどのような種類があるのか。整理しましょう(解説するのは利用者・購買者に直接営業する直販営業に限ります/代理店営業などは除く)。

現在、営業シーンで新規顧客との接点をもつには次の4つが主流になっています。
① アウトバウンド営業
② インバウンド営業
③ ソーシャルセリング
④ ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)
では、それぞれ接点の構築手法を簡単に解説していきます。

シェア拡大には攻めの「アウトバウンド営業」

アウトバウンド営業は、プッシュで新規顧客を開拓する攻めの営業スタイルです。買うつもりのないお客様を相手にするため、難易度が非常に高く、最も営業力が必要とされます。商品によってはインバウンド営業よりも5倍以上の労力やコスト、商談の決着までに時間がかかることもあります。

それでもアウトバウンド営業が必要な理由は、事業の戦略や成長計画に大きく影響するためです。例えば、新規事業や立ち上げ期。まずはモデルとなるシンボリックな受注や事例を集めなければ、マーケティングにお金を投資しても、商談で競合に負けてしまいます

日本では「実績不足・事例不足」が導入意思決定の不安要素や買わない理由になってしまうため致命傷になるのです。

事業の立ち上げ期だけでなく、事業拡大を図るケースや業界でのシェアを伸ばしにいくときにもアウトバウンド営業が採用されます。マーケティング活動に反応してくれるお客様だけでは、一定サイズの事業拡大しか実現できないからです。

企業が商品を買うきっかけは、事業者のマーケティング活動に反応するばかりではありません。むしろ最も多いのは“日ごろから付き合っている企業に相談・提案を受ける”ということです。

こうした前提に立ったとき、「取引のシェアを拡大しよう」と考えたら、既存取引先から乗り換えてもらう営業活動が必要なのです。

テレワーク時代の顧客獲得にはコンテンツマーケティングと「インバウンド営業」

インバウンド営業は、企業のマーケティング活動を通して 「反響を獲得する」営業スタイルです。広告、PR、ダイレクトマーケティング、コンテンツマーケティングなど様々なコミュニケーションを通して、興味を抱いたお客様と接点を築きます。