プロフィールにあるハッシュタグがそもそもめちゃくちゃ面白い。「#ナウルが名売る」なんです。こういう感覚があると、そのアカウントに生命が宿る。そうすると応援したくなる。結果、見た人はナウル共和国も知る。そんな順番だと思いますね。

未完成でもVoicyでまず発信、noteはロジカルに

──noteとVoicyは、どのような位置付けですか。

Voicyは音声なので、コンテンツ内容がロジカルでなくても流せます。生煮えの段階で流せることがメリットですね。一方で、ロジックを組み立てたものをnoteでは掲載したいなと思ってます。

──伊藤さんのVoicyは、15分、30分で一気に喋って収録しています。録ったものをそのまま出してるんですよね。

はい。喋る方がラクなんです。編集しないことで心理的ハードルが低くなりますね。文章にするとなると構成を考えるし、時間が結構かかる。書くことの心理的なハードルはそこですね。

──なるほど。Twitterは壁打ちで、壁打ちの中身をVoicyで発信。noteはちょっとオフィシャル感のあるコラム。これが伊藤さんのパターンですね。自分に向いているスタイルを見つけられたのが、SNS活用のポイントな気がします。

思いをはせながら書いてハッピーなさえずりを

──伊藤さんは、狙って書いてるんだなというのがわかる文章だと思います。読む側の人たちのイメージを持って書かれているような。

僕の文章はおそらく炎上はあまりしないかな?と思っています。先々はわかりませんが。いろいろな人の気持ちに思いをはせながら書いています。「お前はこうだ」などと言い切ったら、読者はみんな怒りますよね。以前はバーンと言い切る投稿もしたりしましたが、今は、読む人の感じ方は相当意識しています。

たとえば、「世の中をどうしたいか」という複雑なテーマで議論をする場合、参加する人それぞれが持っている違う意見を、きちんと出さないといけません。そのとき、この文章を読む人はどういう立場で、どういう気持ちなのかということに思いをはせれば、どういう表現が最適なのか、わかるのではないでしょうか。

──「伊藤さんのツイートは必ず読み手が自分で考えて行動することを促すような味付けがされている」、というコメントもありました。SNSは、みんなの役に立つことを発信することによって、それが事業にも役立つかもしれないくらいの感覚で運用するのがいいのかもしれませんね。

伊藤羊一(いとうよういち)氏(Zホールディングス Zアカデミア学長/武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 学部長)
 

ゲスト:伊藤羊一(いとうよういち)氏(Zホールディングス Zアカデミア学長/武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 学部長)
日本興業銀行、プラスを経て2015年ヤフー。 現在、Zアカデミア学長としてZホールディングス全体の次世代リーダー開発を行うとともに、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部学部長として、学生の起業家精神の育成にも力を注ぐ。 また、ウェイウェイ代表、グロービス経営大学院客員教授としてリーダー開発を行う。多くのビジネス書を執筆。著書に『1分で話せ: 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術』がある。
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