物流最大手のヤマトホールディングスが発表した2024年3月期の決算は、減収減益となった。23年4月に宅配便の運賃を改定し「値上げ」したものの、業績が伸び悩んだのはなぜか。(カーゴニュース編集部)
コスト上昇などが響き2桁減益に
ヤマトホールディングス(本社・東京都中央区、長尾裕社長)の2024年3月期連結業績は減収減益となった。法人部門で新規取引が拡大したものの、宅配便の取扱数量の減少やロジスティクス・国際輸送関連の収入が減少したことで売上高は減収。利益面では、時給単価や委託費、外部環境変化によるコスト上昇などが響き2桁減益となった。
今期(25年3月期)については、プライシング戦略の強化などで宅配便の増収を図るほか、法人領域での事業拡大で増収増益への回復を見込む。5月8日に電話会議方式で会見した栗栖利蔵副社長は「第2四半期まではコストが先行することで赤字を見込むが、下期以降に取り組みの効果が表れる」と述べた。
同社の24年3月期連結業績は、売上高が前期比2.3%減の1兆7586億2600万円、営業利益が33.3%減の400億5900万円、経常利益が30.3%減の404億5800万円、当期純利益が18.0%減の376億2600万円。