ゲーム業界に限らず、NFTを用いた資金調達手法はさまざまな業界で利用されている。例えば、『Stoner Cats(ストーナー・キャッツ)』はNFTによる資金調達で制作された最初のアニメで、不思議な力を持った5匹の飼い猫と飼い主の物語だ(なぜかNFTはいつも猫から始まる)。

登場する猫のそれぞれにトークンが先行販売され、その購入者が優先的にアニメや特典コンテンツを楽しめる仕組みになっている。初回の売り出しでは1万420トークンが約35分で完売し、800万米ドル(約9億円)の資金調達に成功したという。

画像出典: Stoner Cats
画像出典: Stoner Cats

また、『Loot(ルート)』や『The N Project』といったボトムアップ型開発の動きも注目だ。これらは文字情報だけのNFTで、後の開発はユーザー側にオープンに委ねられている。例えば、Lootはロールプレイングゲームで言う装備品の名前が書かれたトークンを発行している。トークンに書かれているのは文字だけで、絵や強さを表すパラメーターなどは一切存在しない。それにもかかわらず、これらのトークンは高値で取引されている。

今になって、コミュニティに参加する開発者たちは、これらのトークンをベースにしたゲームやプラットフォームの開発をあちこちで始めている。例えば、トークンに書かれたアイテムの文字列から、キャラクターのビジュアルを自動生成するプラットフォームなどだ。

こうした周辺プロジェクトとの相乗効果で、元のトークン自体の価値も変動する。偶然生まれたクールな装備や可愛いキャラクターが高値で取引され、経済圏を形成していく。運営企業がルールを定義し、トークンに意味を与える従来モデルではなく、分散的な組織がボトムアップで世界をつくり上げていく、まさに新しいモデルだ。

<blockquote class="twitter-tweet"><p lang="en" dir="ltr">LOOT<br><br>- randomized adventurer gear<br>- no images or stats. intentionally omitted for others to interpret<br>- no fee, just gas<br>- 8000 bags total<br><br>opensea: <a href="https://t.co/qSnRJ1FD0n">https://t.co/qSnRJ1FD0n</a><br>etherscan: <a href="https://t.co/bF9p0RSHX2">https://t.co/bF9p0RSHX2</a><br><br>available via contract only. not audited. mint at your own risk <a href="https://t.co/uLukzFayUK">pic.twitter.com/uLukzFayUK</a></p>&mdash; dom (@dhof) <a href="https://twitter.com/dhof/status/1431316631934967815?ref_src=twsrc%5Etfw">August 27, 2021</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script>