だが、メルカリの流通取引総額が前年比で25%の成長を遂げていることから、「より効率的な集荷物流網を構築することが必要」(野辺氏)と判断。また、効率的な集荷物流網の構築が顧客体験をさらに向上させると考え、メルロジの設立に至ったという。

2024年までにメルカリポストを全国8000か所まで拡大

メルロジでは、メルカリが保有する発送取扱量、メルカリポストやメルカリを“体験しながら学べる”リアル店舗「メルカリステーション」(全国11か所)をはじめとした自社のタッチポイントを基盤に、テクノロジーを活用した効率的な集荷物流網(パートナーとの連携による、トラック・倉庫などの自社アセットを持たない形での展開)の構築を目指していく。

「メルカリが持つ月間利用者2000万人の取引データをもとに、より荷量が多い場所を特定し、集荷の精度を上げる。また、2024年までにメルカリポストの設置箇所を全国8000か所に拡大し、集荷効率の最大化を図っていきます」(野辺氏)

その集荷物流網をもとに、売れた商品を持ち込むだけで発送が完了する「梱包レス発送」(2021年4月より実証実験中)、発送前の商品のクリーニング、リペア(2022年春に導入予定)といった付加価値サービスを提供していくという。

【速報】メルカリが自前の物流会社「メルロジ」立ち上げ──効率的な集荷物流網の構築を目指す
 

また、グループ会社のソウゾウが展開するEコマースプラットフォーム「メルカリShops」の出店者向けに、出品・梱包・発送代行を担うサービスを提供するなど、メルカリグループの他の事業とのシナジー創出も目指していく。

「今後はメルロジの集荷物流網を広く開放し、メルカリポストを活用した他社ECの商品返品などの発送対応や、メルカリグループ以外のサービスを使ったネットショップ出店者にも、保管・発送サービスの提供を行っていければと思います」(野辺氏)