しかし、メルロジが自社で集荷のタッチポイントをつくることができれば、サービス設計の自由度が上がる。私たちとロジスティクスパートナーの間で、「このサービスいいですね」という合意さえ取れれば実装できる。実際に、前向きな話の方が多いですよ。私たちがきちんと投資を行い、物流の効率性・安全性を担保していきたいと思います。

その一方で、全国に荷物を届けるためには、これまでにロジスティクスパートナーが構築してきた配送ネットワークやサービスと融合していくことは不可欠。だからこそ、私たちは集荷に限定した状態で事業参入しているわけです。

──ちなみに競合環境についてはどのように考えていますか。

野辺:競合意識みたいなものは、正直ないですね。また集荷に特化してサービスを提供している会社はないと思っています。競合意識というよりも、もっと広い視野でメルカリを通じてモノが循環される世の中をつくるための投資をしていきたいと思っています。

進藤:どこかの企業をウォッチするというよりも、ユーザーの声に耳を傾けることの方が大切だと考えています。

すべてのサービスの裏で支えているような存在に

──「集荷過程での付加価値提供」の部分についても教えてください。現在、梱包レス発送の実証実験中だと思うのですが、手応えは感じていますか。

進藤:大きく2つの評価を得ている感覚はあります。1つ目は、「梱包の手間が省けることで出品の負担が減った」という評価。もう1つは、「ゴルフクラブやギターのようにユーザー自身では梱包しづらかったり、簡易梱包していくと配送会社から断られたりするようなものを出品できるようになった」という評価です。

価格面の精査や梱包レス発送サービスを展開していくタッチポイントの検討など課題は多くありますが、ユーザーの声をベースに改善などを続け、大きくスケールさせていきたいと思います。

──価格はどれくらいを想定しているのでしょうか。

進藤:まだ最終的な価格は決定していません。実証実験をもとに決めていきたいと思っています。ただ、「高い金額を払えばやってもらえるだろう」という世界になってしまうのは、本意ではありません。オペレーションの負荷と価格のバランスをしっかりと取って、ユーザーに選ばれるサービスとして提供していきたいと思っています。

──発送前商品のリペアやクリーニングについてはどのように展開していく予定ですか。

野辺:私たちにリペアやクリーニングのノウハウがあるわけではないので、基本的にはパートナーと連携していくことになります。