ただし、実態としては失われた人との交流の時間はTikTokやInstagram、YouTube、Netflixなどの個人的な動画視聴の時間に吸収され、そこでバズった韓流ドラマ「イカゲーム」や歌手のAdoが真にトレンド化していったのかなと思います。

  • 2022年のトレンド予測

オンラインで完結する共創コンテンツがトレンドになると考えています。つまり、リアルでは一緒にいないけれども、遠隔、共同で面白いコンテンツを制作してSNSに投稿するトレンドが生まれると思います。

そう考える理由は2つあります。1つ目は、昔のように“テレビで流行ってたアレ”みたいな流行がなくなったと思われていたZ世代にも、ショートムービーの流行(主にTikTok)によって世代共通の流行が生まれる素地が出来上がり、世代のトレンドが伝播しやすくなったことです。

2つ目はいつの世もトレンドを生み出してきた大学生の学生生活の大半はコロナ禍の影響を受けており、新しい友達を作らずにLINEですでに繋がっている少人数とより仲良くする現象が起きたからです。これら2つの理由から、少人数でオンライン完結型で一緒に創ってSNSに投稿してバズるみたいなフォーマットが生み出されやすくなったと考えています。

岩崎由夏氏 / YOUTRUST代表取締役 

  • 2021年の振り返り

副業が珍しくなくなった1年になったと思います。調査でも、副業をする人は昨年と比較して100万人も増加したという結果になっています。コロナという外的な要因で、自分のキャリア・働き方の価値観やスタイルを見直した2020年だったのに対し、その考えをもとに、実際にアクションとして「副業」にチャレンジする方が圧倒的に増えた2021年だったように思います。

  • 2022年のトレンド予測

(スタートアップにとっては)採用激化な1年になると思います。

今、生き残っているスタートアップは、ある意味コロナという天災に打ち勝ってきた骨太な企業ばかり。本格的にアフターコロナの経済回復に向かう中で、優秀な人材を獲得することはどの企業にとっても事業成長のために避けては通れない経営課題になります。一方で、カジュアルかつ早期からのコミュニケーションに、コロナ禍で採用手法が多様化しています。スタートアップ各社が、事業成長のためにどんな採用を進めていくか、キャリアSNSを運営する立場として、また採用に頑張るいちスタートアップ企業として、とても楽しみです。

大槻祐依氏 / FinT代表取締役CEO 

  • 2021年の振り返り

TikTok、その中でも「TikTok売れ」が盛り上がった1年だと思います。今年に入ってようやくZ世代と消費との相関が認識されてきました。今年は地球グミ、30年前の実験的SF小説、展覧会などのアート系など、TikTokによる爆売れ事例がいろんな業界で連続して起こりました。Z世代という言葉も流行語になり、今年は特にZ世代をターゲットにした企業・商品が多く出回ったように感じています。