• 2022年のトレンド予測

メタバースなど3次元の世界では、2次元の世界に比べてもっともっと個人の趣味や趣向に合わせた居場所ができます。「自分」を複数の場所によって使い分けられるというイメージでしょうか。匿名性の他にも自分の見た目や性別なども変えられますし、SNSよりももっと自分をさらけ出せる場所として、盛り上がってくると思います。

仮想空間のマーケティングにおいても、いかにブランドの世界観を再現性高くコンテンツに落とし込めるかが大きく関わってくると考えています。従来のブランドは2次元的なメディア、つまり写真や動画・音声などでいかにブランドの世界観を作り込めるかに注力してきました。しかし3次元の場合、ブランドの世界観を360°の全方位から訴求できることになります。ブランドが作り込める情報量は必然的に多くなるほか、アバターとなった見知らぬファン同士で新たな仮想コミュニティができることも予想されます。

まだまだ参入者が少ない3次元の仮想空間において、いかにブランドの世界観を作り込めるか、といった点が今後は重要になってくるでしょう。

大見周平氏 / Chompy代表取締役 

  • 2021年の振り返り

改めて「ECって面白いな!」と思った1年でした。

フードデリバリー業界はものすごいスピードで成熟化しつつありますし、派生した生鮮・日用品のデリバリー領域への新規参入も相次いぎ、ECの最後の未開の地と言われる「リアル×オンデマンド」領域での競争が本格化した1年でした。

「個」中心の分散的な市場では、筆頭格のShopify、BASEなどはストアフロント型としての完成形に近づき、その上で独自のコンテキストでマーケットプレイス型のアプリを強化。逆にエンタープライズに目線を移すと、10XやROUTE06のような、大手企業をDXすることによってEC化をする動きも立ち上がっていたり、ecforceのような「カート」という昔ながらの概念と向き合うSaaSが大型調達をしたりと、活況でした。

また、チャットコマースのZeals、共同購入のカウシェ、デジタルデータを出品・販売できるマーケットプレイスのeluのような新しいEC体験を日本文脈で根付かせようとするサービスが勢いよく成長する中、海外ではNFTなどさらに新しいトレンドが生まれたりしています。

Amazonなどの従来型のマーケットプレイスだけではない、さまざまな文脈でECの可能性を感じれてワクワクする1年だったなと感じています。

  • 2022年のトレンド予測

コロナ禍を経た国内EC市場でいうと、デジタルとリアルが混ざりあったEC体験が大きく伸びる、伸び始める年になるのではと思っています。