東北の地域ゼネコン4社を傘下に収めるUNICONホールディングスは、投資ファンドであるエンデバー・ユナイテッドが主導する形で誕生した。その狙いは。出口戦略は。特集『ゼネコン複合危機 全国2565社ランキング』(全18回)の#12では、エンデバー・ユナイテッドの中原慎一郎マネージングディレクター、UNICONホールディングスの小山剛代表取締役のインタビューをお届けする。(聞き手/ダイヤモンド編集部 土本匡孝、堀内 亮)
事業承継問題が出発点
グループ化で地域の課題解決目指す
――エンデバー・ユナイテッドは山形県の山和建設、福島県の小野中村、南会西部建設コーポレーション、南総建の地域ゼネコン4社を傘下に収めるUNICONホールディングス(HD)に出資しています。出資に至った経緯は。
中原慎一郎・エンデバー・ユナイテッドマネージングディレクター(以下、中原) もともとは山和建設への投資でした。その後、小野中村にも投資を検討した際、山和建設と連携してより良い形ができないか模索しました。その結果、山和建設と小野中村で合弁会社を設立することになりました。
地域のゼネコンは同じような課題を抱えているので、どんどんグループ化していくのがよいのではと思っていたところ、南会西部に出合いました。そこで、持ち株会社の名前をユニバーサルな名前にしようということで「UNICONホールディングス」になったわけです。
――なぜ山和建設は投資ファンドの出資を受け入れようと思ったのですか。
小山剛・UNICONホールディングス代表取締役(小山氏は山和建設の前社長) きっかけは事業承継です。出資を受け入れたのは、創業者の父から代替わりするタイミングでした。
当時、弊社は売上高約120億円の山形県ナンバーワンのゼネコンでした。ただし、受注はほぼ公共工事。これからも売り上げを伸ばしたいと考えていましたが、現状では厳しいと感じていました。ファンドの資金と経営ノウハウを活用して、生き残りを図ろうと思って出資を受け入れました。
――ホールディングス化したことによるメリットは。