大手ゼネコン5社のうち大林組は東京・銀座で影が薄く、他の4社に比べて受注が極端に少ない。同じ関西の地盤を持ち、「竹林戦争」と呼ばれる熾烈な戦いを繰り広げてきた竹中工務店は、しっかり受注しているのにだ。特集『沈むゼネコン 踊る不動産』(全20回)の#6では、銀座における大手ゼネコンの力関係を明らかにする。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)
大手ゼネコンがしのぎを削るも
大林組の受注は極端に少ない
東京・銀座の街は中小規模のビルがひしめき合っている。基本的に大手ゼネコンの主戦場は中小規模ビルではなく大型ビル。街そのものをつくり変えるような大規模再開発に戦力を投じている。にもかかわらず、銀座の建設現場では、大手ゼネコンの工事の看板がやたらと目に付く。
銀座は例外。大手ゼネコンが中小規模ビルの受注獲得競争でしのぎを削っている。
なぜ例外なのかといえば、この街の建築現場で自社の看板を掲げることに、大きな宣伝効果を見いだしているからだ。一流の店が並んで富裕層が集い、世間からの注目度が高い街で、自社の旗を立てておくことに意義がある。
ただし、大手ゼネコン5社のうち大林組は銀座で影が薄く、他の4社に比べて受注が極端に少ない。同じ関西の地盤を持ち、「竹林戦争」と呼ばれる熾烈な戦いを繰り広げてきた竹中工務店は、しっかり受注しているのにだ。
次ページでは、大手ゼネコンの銀座における最新の受注状況をマップでまとめた。これを見ると、大林組の存在感のなさが一目瞭然だ。そこで銀座におけるゼネコンの力関係を明らかにした。