豪華客船を舞台にした1970~80年代の米人気テレビドラマ「ラブ・ボート」は「誰もが楽しめる」をうたい文句にしていた。それから半世紀近くがたった最近では、それが現実のものとなっている。このドラマが放送されて人気が高まる前は、クルーズ旅行は「新婚や死にかけた人」向けだと揶揄(やゆ)され、運賃も現在よりずっと高額だった。自家用ヨットを持てるほど裕福でない人は今、大枚をはたけば、豪華でくつろげる旅行や南極大陸のような場所へのエネルギッシュな冒険を楽しむことができる。だが最近のクルーズ船利用者は、「海に浮かぶ家」で食事をしたり、もてなしを受けたり、余興を楽しんだりしたい中流階級の欧米人が大半を占める。子ども連れも多い。超効率的なクルーズ業界は、まるで浮かぶテーマパークのような巨大客船を建造し、さらにはクルーズ会社が所有するプライベートアイランドまで開発することで、それを可能にしている。
世界最大のクルーズ船、その驚くべきビジネス
運航大手ロイヤル・カリビアンの超大型新造船は「規模の経済」に新しい意味をもたらした
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