国際政治の形、世界経済の構造、軍事力のバランスを決定づけ、私たちの暮らす世界を特徴づけてきた立役者は、半導体なのだ――。2023年に経済ニュースの主役に躍り出たのが半導体だ。最先端技術を巡る米中の対立は激化の一途をたどり、日本も国家戦略で半導体産業の再起を図る。なぜ半導体がここまで関心を集めているのか。特集『半導体戦争 公式要約版』では12月11日(月)から全15回にわたって、半導体を巡る大国の攻防を描いた世界的ベストセラー、クリス・ミラー著『半導体戦争』の読みどころを凝縮してお届けする。
#1 12月11日(月)配信
半導体は原油を超える「世界最重要資源」だ!米中対立の命運を決する“計算能力”とは?
米駆逐艦マスティン号が台湾海峡を通過すると、中国軍は報復として台湾周辺での実弾演習実施を発表した。しかし、その日、米海軍よりも中国指導部の頭を悩ませているものがあった――。米中が半導体の覇権を争うのは、半導体が原油を超える最重要資源だからだ。
#2 12月11日(月)配信
【図解】なぜ半導体は原油を超える世界最重要資源なのか【『半導体戦争』ビジュアル入門】
なぜ米国と中国は半導体を巡って激しく対立しているのか。なぜ半導体は原油を超える世界最重要資源なのか。半導体の覇権争いの最前線を描いた『半導体戦争』序章のダイジェストを、ビジュアル図解でお届けする。
#3 12月12日(火)配信
集積回路の買い手探し、最初の答えは「米軍」だった!半導体ビジネスを育てた挑戦者たち
1957年10月4日、「集積回路を購入してくれるのは誰なのか?」という疑問への答えが、米カリフォルニア州の夜空を駆け抜けた。ソ連(当時)が打ち上げた世界初の人工衛星スプートニクが、地球を西から東へと周回していた。
#4 12月12日(火)配信
【図解】なぜ半導体は一大産業に成長したのか、黎明期を支えた挑戦者【『半導体戦争』ビジュアル入門】
現代社会に欠かせない半導体も、ビジネスとして成立するまでには長い年月がかかった。なぜ半導体は一大産業へと成長することができたのか。半導体の黎明期に活躍した挑戦者たちを描いた『半導体戦争』第1部のダイジェストを、ビジュアル図解でお届けする。
#5 12月14日(木)配信
米インテルが起こした半導体革命、米国の命運はシリコンバレーに託された
「こいつは世界を変えるぞ」。1972年、ロバート・ノイスは両親の結婚50周年記念パーティーで、シリコン・ウェハーを高く掲げて宣言した。米インテルが起こした半導体革命は、コンピューティング産業を、そして米国の国家全体の命運を変えようとしていた。
#6 12月15日(金)配信
イアン・ブレマー氏が「TSMCは中国から台湾を守る盾にはならない」と語る理由【『半導体戦争』のここを読め!】
半導体製造を支配する台湾TSMCの存在が、中国による台湾侵攻のリスクを高める――。国際政治学者のイアン・ブレマー氏は、そう警鐘を鳴らす。『半導体戦争』を読んだブレマー氏が語る、同書の読むべきポイントや、日本の半導体産業やラピダスの未来とは?
#7 12月18日(月)配信
ソニーとシャープが半導体で起こした“家電革命”、米国の支援で「成功し過ぎた」日本
電子機器にこそ世界経済の未来がある。小型で電力消費の少ないトランジスタは、まちがいなく家電製品に革命を巻き起こす、と盛田昭夫は悟った――。ソニーやシャープを急成長させた半導体の家電革命とは?
#8 12月19日(火)配信
ソニー創業者・盛田昭夫氏の著書にアメリカ人が大激怒した本当の理由
原油と同じで、半導体なしで生きていくことなど不可能だった。米国が「半導体産業のサウジアラビア」になりつつある日本を憂慮するのは当然ではないか――。1980年代の日米半導体戦争でいったい何が起きていたのか。
#9 12月20日(水)配信
米国の「ミスター・ジャガイモ」が半導体産業で日本に勝利できた理由
日本の猛攻を受けて米企業がDRAM事業から続々と撤退するなか、「ミスター・ジャガイモ」は本能的に、参入する絶好のタイミングが来たと悟った――。一時は半導体産業の王者だった日本に、どうやって米国は勝利することができたのか。
#10 12月22日(金)配信
ポール・クルーグマン氏が「ラピダスは製造ノウハウだけでは成功しない」と語る理由【『半導体戦争』のここを読め!】
ラピダスが先端半導体の国産化に成功するには、製造ノウハウだけでは足りない――。ノーベル経済学賞受賞者で経済学者のポール・クルーグマン氏は、そう指摘する。『半導体戦争』を読んだクルーグマン氏が、読むべきポイントや米中対立の行方、ラピダスの未来について展望した。
#11 12月25日(月)配信
キヤノン、ニコンが半導体露光装置の技術レースでオランダのASMLに勝てなかった理由
米インテルはEUVリソグラフィ装置を市販化し、量産できる企業を探し始めた。アメリカにそんな企業は存在しない、というのが同社の出した結論だった――。露光装置の分野で世界をリードしていたキヤノンやニコンはなぜオランダのASMLに敗れたのか。
#12 12月26日(火)配信
エヌビディア・クアルコム・アップルに恩恵、TSMCがけん引した半導体ファブレス革命の正体
米エヌビディアが自社工場を建設しなくてすんだのは幸いだ。起業の段階で、自社工場に必要な資金を調達するのはおそらく不可能だっただろう――。台湾TSMCがけん引した半導体のファブレス革命は、エヌビディアやクアルコム、アップルなどの米大手テック企業にどんな恩恵をもたらしたのか。
#13 12月27日(水)配信
ファーウェイ台頭で「軍事力バランス」一変!?米国が警戒した中国半導体産業の野望
中国には競争力のある半導体を生産する能力はないに等しい。中国政府は技術を手に入れるため、アメリカ企業に強権を振るい、圧力をかけた――。中国が半導体産業の育成に注力する理由とは?
#14 12月30日(土)配信
台湾の半導体工場停止で「世界の計算能力4割減」に!?半導体は米中対立の“武器”になった
台湾の半導体工場が稼働停止すれば、翌年生み出される計算能力は37%減少する。コロナ・パンデミックよりも、ずっと甚大な損失が生じる可能性がある――。世界秩序を一変させかねない半導体の覇権争いで何が起きているのか。
#15 12月31日(日)配信
佐藤優氏が「台湾有事は起こらない」と語る理由【『半導体戦争』のここを読め!】
中国による台湾への軍事侵攻は起きるのか。佐藤優氏が指摘する「武力を用いるより賢明な方法」とは?『半導体戦争』を読んだ佐藤氏が、同書の最も面白かった話や、米中対立の行方について語った。
Key Visual by Noriyo Shinoda