日本企業が失ってしまったもの
博士が抱いていた危惧
2013年2月刊行。「和(WA)」という言葉を愛していたゴールドラット博士の、日本未発表の論文やインタビューをまとめた最後のメッセージです。
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博士からは、素敵なプレゼントもいただきました。それは日本未発表の、いくつかの論文でした。「きみの雑誌で自由に使っていいよ」。そんなメッセージといっしょに……。
かくして複数の論文が「週刊ダイヤモンド」に掲載され、その論文や件のインタビュー記事、その他博士の至言の数々を集めて編まれた『何が、会社の目的(ザ・ゴール)を妨げるのか』が今年2月に発刊されました。
本書を一読すると、日本企業がますます欧米の経営哲学やカルチャーに染まっていくことに対し、博士が極めて大きな危惧を抱いていたことがわかります。そしてそこから、日本企業が捨ててしまった大事なものが浮かび上がってきます。
2011年6月12日、午前8時過ぎ。訃報は電子メールで届きました。
「悲しいお知らせがあります。数時間前、ゴールドラット博士が亡くなりました」
知らせてくれたのは、ゴールドラット・コンサルティング・ジャパンの岸良裕司CEOでした。岸良氏によれば、博士は生来血液の病気を抱えており、「生きているのが不思議」といわれていたそうです。亡くなる2カ月ほど前にたまたま受診した定期検査で肺がんが見つかり、その治療も続けていました。
博士の最期は穏やかで、家族全員に看取られながら逝ったそうです。64年の生涯でした。
◇今回の書籍 3/100冊目
『ザ・ゴール 企業の究極の目的とは何か』
企業のゴール(目標)とは何か――アメリカ製造業の競争力を復活させた、幻のビジネス小説。TOC(制約条件の理論)の原典。
エリヤフ・ゴールドラット 著
三本木 亮 訳
稲垣公夫 解説
定価(税込)1,680円
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◇今回の書籍 4/100冊目
『何が、会社の目的(ザ・ゴール)を妨げるのか 日本企業が捨ててしまった大事なもの』
ゴールドラット博士のインタビュー、講演で語られたフレーズ、論文、そして『ザ・ゴール』をはじめとする著作から、ものごとの本質を鋭く衝いた「至言」の数々。そこから、日本企業が捨ててしまった大事なものが浮かび上がってくる。日本未発表の「TOC概論」も収録。
ラミ・ゴールドラット/岸良 裕司 監修
ダイヤモンド社 編
定価(税込)1,680円
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