結婚後も続く
毒家族からの「支配」
高戸さんは大学で出会った男性と結婚。夫は就職後、配属先が遠方だったため、高戸さんは結婚を機に家を出た。
だが、新婚生活が始まっても両親の支配は止まらなかった。父親には「ひと月に一回は帰って来い」と命令され、仕事を休み、安くない交通費を払って帰省して手土産を渡せば、母親にケチを付けられ、父親や周囲の人の悪口を延々と聞かされながら、奴隷のように家事を強要された。
結婚から4〜5カ月後、今度は父親から「まだ子どもができないのか? なんでいつまでたっても産まないんだ? お前バカか?」としつこくなじられ、母親からは、「近所の☓☓さんはいつも孫自慢ばかりで気分が悪い!」と憤慨されたり、「アタシ60超えてもおばあちゃんって呼んでもらえないなんてつらい……」と泣かれたりし始める。
高戸さんは「親がここまで言うのだから、自分は親の言う通り、一刻も早く妊娠しなければ」という強迫観念に突き動かされ、不妊治療を開始。
だが、病院はいつも人であふれ、診察は一日がかりになることもしばしば。さらに治療は苦痛を感じるものが少なくない。高戸さんの心はだんだん暗く沈み、「これが幸せいっぱいの新婚生活? おかしいんじゃない?」という疑問がふくらんできた。
異変が生じ始めたのはそんな頃だ。