冬休みの学力ロスは「時間割」で予防可能
なぜ冬休みの学力ロスが危険なのか。ここで、アメリカの事例をご紹介しましょう。
6月から8月まで、3カ月もの「長い夏休み」があるアメリカでは、毎年、夏休み明けになると「サマースライド」と呼ばれる学力低下現象が起こることが知られています。
サマースライドは小学校低学年の子どもに顕著に表れ、ある調査によると、夏休み中に勉強を怠った場合、1~2ヶ月分の学力が失われ、それを取り戻すのにさらに1~2カ月を要することがわかっています。つまり、夏休みに何も勉強をしないと、最大で4カ月分の学力を失うのです。
上記は夏休みを対象とした調査です。しかし、冬休みでも同じ現象が起こりえます。「長期休みに勉強をしないと大幅に学力を失う」この事実は夏であろうと冬であろうと、変わりません。
もちろん期間が短ければ失う学力も少なくて済みますが、「冬休み中に勉強を続けていた子」と「冬休み中に勉強をしなかった子」の間には大きな違いが生まれます。この遅れを取り戻すのは子ども自身にとってつらいことです。
学力ロスを阻止するには、長期休暇中も学期中と同じような生活リズムを維持することが効果的です。長期休み中の生活リズムが安定していると、子どもは次に何をすべきなのかが自分でわかりますから、やるべきことに集中して取り組めるようになります。
「里帰りや旅行を楽しみにしている」という場合でも、1週間などなるべく短めの期間で出かけましょう。1週間程度なら多少生活リズムが乱れてもすぐに修正できます。
子育て成功のカギは「強み育て」にある
子どもが社会の変化に翻弄されずに、自分らしく幸せに生きていくには、失敗や挫折に負けない「たくましさ」を確立しなければなりません。一生ものの武器になるたくましさですが、どのように育てれば良いのでしょうか?
たくましさが育つ要因は、家柄、血筋、遺伝ではありません。もちろん親の学歴や職業も無関係です。「子どもの潜在的な強みを引き出すこと」でたくましさは育つと断言できます。
つまり、子育てで最優先すべきは「強み育て」なのです。強みは、音楽でもスポーツでも勉強でも、なんでもいいのです。