アウトプットの前半はアナログ、後半はデジタル

──お二人とも、アウトプットの最初の段階は手書きなのですね。

樺沢 アウトプットのプロセスの中で、最初の半分ぐらいまではアナログです。『アウトプット大全』でも説明していますが、書くことによって脳幹網様体賦活系(RAS)が刺激され、脳が活性化されます。記憶に残ったり、集中力を高めたりする効果もあります。

坂下 自分の脳内を見える化して言葉にするには、デジタルよりアナログツールの方が適していますね。

樺沢 その通りです。先ほども説明したように、例えば本の構成案を考える時は、最初はカードに手書きをします。そして構成がほぼ決まった時点で、Wordで入力します。Wordでは文章を階層的に整理する「アウトライン」という機能を使います。

 例えば第1章を書くとしたら、その中に5つくらいの大項目が入ることになります。さらに大項目の下の階層に中項目がいくつかあり、中項目の下の階層に小項目がある。そういうふうにして書くべき項目と順番を決めてから、小項目の文章を一つずつ埋めていく。そうすると1冊の本ができあがります。Wordのアウトライン機能がないと、本なんて書けないですよ。

坂下 私も同じです。このノート上にふせんを貼って、本の構成案ができあがったら、それを見ながらパソコンに打ち込んで、原稿を書いていきます。私の場合はWordではなく、「秀丸」というテキストエディタですが、やはりアウトライン機能を使います。私もアウトライン機能がなかったら本を書けません。

樺沢 アウトラインは便利なのに、意外と皆さん使ってないことが多いんですよね。最近は音声入力機能も使っています。Wordのアウトライン機能で構成を固めたら、それを見ながら順番に話すことで音声入力をしていきます。15分話すと約4,000文字の下書きができるので、それを清書するだけ。この流れですごく短時間で原稿を書けるようになりました。

(後編に続く)