40代男性こそ外部の専門家を頼ろう

 半年後、カウンセリングで再会したAさんは、とても明るい表情でした。「以前は常に漠然とした不安がありましたが、今はそれがなくなりました。体調も良いです」。しかも、前回のカウンセリング直後に転職にも踏み切り、すでに新しい職場で働いているということでした。

 実はカウンセリングを卒業後、転職される相談者さんはとても多いです。体調が良くなったことはもちろん、心の底に抱えてきたさまざまな不安がなくなったことが大きいでしょう。

 根底に不安があると、体も心も緊張で萎縮してしまい、状況に最も適した発想や行動ができにくくなります。しかし、不安を払拭し、心の中に安心感が生まれれば、ありのままの自分を受け入れられる自己肯定感、自分ならできると信じられる「自己効力感」が高まり、「何があってもどうにかなる」と思えるようになるのです。

 さらに気持ちの切り替え方や自分を大切にする重要性を知ったことによって、冷静に今の状況を見られるようになります。人はそうなって初めて、大きな決断ができるようになるのです。これまでもカウンセリングを通して、30代後半で会社員から看護師になった方や40代で起業された方、あるいは前向きな離婚をされた方もいました。

 もし、不安の理由が自分以外にあった場合、その相手を変えることは困難です。まずは自分の心を整えることによって、最適な選択ができるようになり、自然と状況が整っていきます。仕事やプライベートで悩みがちな40代男性こそ、自分一人で抱え込まずに、外部の専門家をどんどん頼りましょう。