新旧を乗り比べて
予想よりも進化、印象的

 ボディはハイテン材の使用率を継承しながら配置などを見直し、NVHや操縦安定性、乗り心地、静粛性を向上させたほか、フロアに遮音フィルムを追加するとともにルーフライニング素材を変更。下側と上側の両方で静粛性を高めた。カスタムにはライニングに吸音材を追加して、ワンクラス上の静粛性を目指している。

 その効果は明らか。走り出してすぐに違いを直感する。高速周回路を巡行すると、とくにカスタムはもはや普通乗用車と変わらないほど静か。前後席間で明瞭に会話できることに感心した。

 シャシーの変更はサスペンション締結の最適化とアライメント適正化、ダンパーの減衰力変更、電動パワーステアリングの舵角制御変更など。足回りは、硬さ感が減るとともに収斂性が向上。うねった路面でもフラットライドで、ざらついた路面でのブルブル、ビリビリとした感覚が減った。頭が振れにくくなったのは、乗り物酔いしにくいよう配慮された視界と併せて、快適性に大いにプラスをもたらした。

 電動パワーステアリングは、操作に対する予測量をもとに制御していた方式から、実際の舵角に応じたコントロールに改められた。フィーリングは大幅に向上。フリクションとイナーシャが減り、修正舵を要する状況が激減している。

 アライメントは、フロントがトーアウトになりにくいように変更され、直進安定性が向上していることが今回の短時間の試乗でもうかがえた。高速道路を使った長距離ドライブをより快適に楽しめそうだ。

 新旧を乗り比べて、予想よりも進化していたことが印象的だった。

(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/山上博也+HONDA)

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