車内は、インパネ回りをはじめ雰囲気がだいぶ変わった。メーターはホンダのKカーでは初採用となる7インチのフルグラフィック型ディスプレイを装備し、2本スポークタイプに変更されたステアリングホイールの内側に配された。これによりインパネはフラット形状になって、死角が減少して見晴らしがよくなっている。メーターディスプレイは、100種類もの背景がランダムで表示されるカレンダーや記念日など、表示に遊び心のある機能を備えている。実用面では、ホンダのKカーとして初めてマルチビューカメラシステムを採用。独自の“ピタ駐ミラー”は、サイドアンダーミラーがドアミラーの根元へ移設され、映す範囲の見直しと併せて、より直感的でわかりやすくなった。

 室内は広く気持ちいい。細部の見直しで、各部のクリアランスが拡大し、収納スペースはグローブボックス容量が倍増するなど使い勝手が向上した。自在に演出でき、アイデアが満載された空間設計は、N-BOXの大きな魅力。各部の作りも一段と上質になっていた。

4シーター・パッセンジャカーとして高い完成度
静粛性と乗り心地、そしてハンドリングが向上

 走りは、ファーストカーとして通用する実力を確認。扱いやすくて爽快な走りを追求した成果を実感した。2代目も大きな不満を感じることのない実力の持ち主だったが、新型は確実に先をいく。乗り比べると、進化の幅は大きかった。

 パワートレーンは、VTECや電動ウエストゲートなど他社にはない技術を導入したエンジンはもちろん、CVTも基本的にはキャリーオーバー。3代目では雑味を排除するための制御が見直されている。

 ドライブしてより大きな違いを感じたのはターボ(64ps/104Nm)だ。2代目もパワー感は十分だが、ややオーバーシュートぎみにトルクが立ち上がる場合が多い。そのため小舵角で曲がる際にフロントが浮いてアンダーステアが出やすい。ところが3代目は力強さをそのままに、加速がリニアになりずっと乗りやすくなった。アクセルを踏み増したときにもダイレクト感があり、キックダウンの仕方も自然で滑らかだ。一方の自然吸気(58ps/65Nm)は、ライバル各車と比べNAとしては力感がある点は従来どおり。こちらも全体的にスムーズになっている。