写真:年末ジャンボ宝くじ発売記念イベント年末ジャンボ宝くじ発売記念イベントで、10億円と写真に収まる妻夫木聡(中央)、吉岡里帆(右から2人目)ら Photo:SANKEI

「1等賞金7億円、前後賞と合わせて10億円」という言葉が踊るのが、師走の風物詩である「年末ジャンボ宝くじ」だ。「宝くじは夢を買う」などともいわれるが、意外な要因が人々を宝くじの購入へと向かわせていた。また、当せんした億万長者が悲惨な末路をたどるエピソードを見聞きしたことがある人も多いだろうが、そういう人はどれくらい実際にいるのか。研究・調査のデータから分かったことをお伝えしたい。(イトモス研究所所長 小倉健一)

日照時間が短くなると
「宝くじ」を買いたくなる?

 胴元ばかりがおいしい思いをし、参加者は損する可能性が高いことは「ギャンブル」全般にいえることだ。しかし、一発逆転を夢見てなぜか買ってしまうのが「宝くじ」というものかもしれない。

 私がかつていた職場には、「年末ジャンボを当てて、こんな会社を辞めてやる」と、毎年のようにパソコンの前に購入した宝くじ券を置き、手を合わせる中間管理職の上司の姿があった。

 私がその職場に所属する間に、ついぞ当せんする姿は見ることがなかったが、周りに「やれやれ」というような冷たい視線を浴びせられながら、どこか楽しげな上司の姿がそこにはあった。今回は、そんな宝くじの秘密に迫りたい。

「日照時間が短くなると宝くじへの支出が高くなることが示された」とする研究成果を発表したのは、オランダのエラスムス経営研究所だ。