この調査は、8年以上の消費者の支出データを分析したものだ。天候が、人々の宝くじ購入に影響を与えるかどうかについての研究をした。

 研究によれば、日照時間が短い日は、人々が宝くじにより多くのお金を使う傾向があることが分かったという。これは、宝くじを買うことと気分が悪いときの関連を示している。さらなる実験では、天候の悪さと宝くじを買うこととの関係は、人々が気分をよくしようとする努力から生じていることが示されたのだという。

 一方、天気が人間の精神状態と深い関係にあることも分かっている。自動車やディーラーのサービスに対する顧客満足度が気候変数に依存すること(※1)、消費者がアルコールやコーヒー、たばこなどの刺激物質の使用量を増やすことで、日照時間が少ない環境に適応しようとしていること(※2)などが分かっている。

 どうやら、人間は憂鬱(ゆううつ)な気分になると、宝くじのような刺激を求めることでポジティブな気分になりたいと願う傾向にあるようだ。実際に、「8年以上にわたる支出データの縦断的研究において、宝くじ抽せん前の数日間における日照時間が短くなると、宝くじの売上額が高くなることが分かった」のだという。

 日本におけるジャンボ宝くじでも、売上額(2020年)で、年末ジャンボ宝くじ(1等賞金7億円)が1434億円、サマージャンボ宝くじ(1等賞金5億円)は743億円だった。当せん金が違うので、一概に比較はできないが、日照時間が短い冬の宝くじである年末ジャンボが、サマージャンボを大きく引き離している。この調査報告は、日本においてもあながち間違っているとはいえなさそうだ。

宝くじの歴史は古い
2200年以上前には誕生していた

 宝くじの歴史は古く、紀元前200年ごろには中国で万里の長城の建設資金を集める財源として使われたという。また、アメリカ独立戦争の資金調達にも使われた。