日本では、《江戸時代初期の寛永元年(1624年)頃※。摂津国(せっつのくに、現在の大阪府)の箕面山瀧安寺(みのおさんりゅうあんじ)で、正月の元日から7日までに参詣した善男善女が、自分の名前を書いた木札を唐びつの中に入れ、7日の日に寺僧がキリで3回突き、3人の“当せん者“を選びだし、福運の“お守り“を授けたのが起こり》(宝くじ公式サイトより)とされている。

※天正3年(1575年)という説もある(同サイトより)

 瀧安寺のくじは、当せん者にお守りを渡すだけのものだったが、次第に金銭と結び付き、「富くじ」として発展。徳川幕府に禁止されるに至る。新しくできた明治政府でも禁止は続いたが、戦中に軍事費調達のため、戦後は復興資金調達のために行政が宝くじを発行することになった。これが今に続くジャンボ宝くじのヒストリーである。

 日本の公営ギャンブルも、例えば競馬であれば、日本中央競馬会(JRA)は農林水産大臣の監督を受け、日本国政府が資本金(約49億円)の全額を出資する特殊法人だ。国庫納付を通じて畜産振興や社会福祉の財源になっている。

年末ジャンボの1等賞金7億円
当せん確率は2000万分の1

 ここからは、年末ジャンボが当たったらどうするかということについて、実際の当せん者の例を交えながら考えてみよう。

「取らぬたぬきの皮算用」とはよくいったもので、年末ジャンボの1等の当せん確率は、2000万分の1である。0.000005%だ。人間が一生のうちにカバに襲われて命を落とす確率は65万分の1(ティム・グリン=ジョーンズ著『「日常の偶然」の確率』)だとされていて、それよりも格段に低い。

 しかし、宝くじを買う人にとっては「そんな問題ではない」の一言であろう。夢を買うのが宝くじであり、夢を語るのが宝くじである。では、当せんしたら人間はどういう行動に出るのだろう。