日本のCBD市場は未開拓なこともあり、法律の境界線を不明瞭にした企業や、品質をあいまい にしているブランドが存在する中、「日本からより良いCBD製品を世の中へ届けたい」という思いのもと、完全合法にこだわったウェルネスブランドが新たに立ち上がった。
バランスドは8月19日、ウェルネスブランド「WALALA(ワララ)」を立ち上げ、最初の商品としてCBDポイントクリーム「CBD POINT CREAM」の発売を発表した。また同社は立ち上げにあたり、国内の企業2社から約5000万円の資金調達も実施している。
このCBDポイントクリームは麻由来ではなく、製薬会社の研究開発によって生産された税関、厚生労働省の許可を得た有機化学合成のCBD成分のみを使用。バランスド代表取締役の柴田マイケル空也氏(Mike Eidlin)は「弊社のCBD商品は日本の法律を遵守しており、原料の安全性も問題ありません」と自信を持ってこう語る。
なぜ、彼はCBD製品のブランドを立ち上げようと思ったのか。また、いかにして完全合法のCBD製品を開発したのか。「東京生まれ、カリフォルニア育ち」という、彼ならではのバックグランドを活かした柴田氏の挑戦に迫る。
相次ぐピボット、事業を模索し続ける日々
東京・広尾で生まれ、2〜3歳の頃に米国・カリフォルニア州に引っ越した柴田氏。カリフォルニアの大学を卒業後、彼が新卒で就職したのは東京の金融企業。3カ月ほど、サマーアナリストとして働いていたものの、途中で「自分に金融系の仕事は向いていない」と感じ、カリフォルニアに戻り、アプリ開発に勤しむ日々を送る。
「実家に住みながら、約1〜2年ほどペット専門のSNSを開発していて、ユーザー数が5万人ほどになったタイミングで資金調達することにしたんです。それでキヨさん(小林清剛氏。サンフランシスコ在住の連続起業家)に相談したところ、日本の起業家や投資家を何人か紹介してくれたので、日本で資金調達をすることにしました」(柴田氏)
ペット専門のSNSの資金調達で来日した柴田氏だったが、日本で数日間生活する中で別の事業アイデアを思いつく。それがサブスクリプション型の翻訳メディアだった。
「日本のペット市場について書かれているブログ記事を読もうと思ったのですが、難しい日本語はよく分からないのでGoogle翻訳を使ったら、意味不明な日本語に訳されてしまった。それで何か良い翻訳サービスはないか知り合いに聞いてみたところ、『Gengo(ゲンゴ)』というサービスを教えてくれたのですが、翻訳に8000円ほどかかるんです」