質問できないビジネスパーソンが増えている。どれほど高いスキルを発揮している人でも、さらなる向上のためには、疑問や課題を見極めて解消することが欠かせない。課題を見つけることができる「質問力のある人」は何が違うのか。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)
出世を左右する「質問力」
ビジネスパーソンにとって、出世は大きな関心事だ。なかなか自分の仕事が評価されずに苦い思いをしている人は少なくない。一方で、とんとん拍子に出世して、より大きな組織を担うリーダーとしてさらに活躍している人もいる。順調に出世していく人は、どのようなスキルを使っているのだろうか。
私はさまざまな企業のビジネスパーソンに対して、リーダーシップ発揮力を高める演習プログラムを20年来実施しているが、順調に職位を上げている人には共通点があると考えている。
それは、質問力が秀でていることだ。
報告や提案を受けて、即座に質問できるかどうかが、出世を左右するといっても過言ではない。生産的な議論を誘発し、組織の成果創出につながる。周囲で出世街道をまい進している人の言動を思い起こしてみてほしい。優秀な先輩も、同期の出世頭も……ほとんどの人が、積極的に質問している姿が思い浮かぶのではないだろうか。
ところが、ここ数年、ビジネスパーソンの質問力が低下しているのではないかと思えてならない。