千葉県にある缶詰工場の人事担当者から「2日前からベトナム人技能実習生がいなくなったので捜してほしい」という相談を受けました。

 いなくなったベトナム人男性グムさん(31歳)は真面目に働いていましたが、1カ月ほど前から遅刻することが増えたそうで、就業中も寝不足なのかボーッとすることがあったそうです。

 今日も遅刻かと思って電話してみると、電源が切れた状態で全くつながらず、寮に行くと荷物が全てなくなっていたそうです。

 すぐにベトナムの家族やパスポートの使用履歴の照会をしたそうですが、まだ日本からは出ていない状況でした。

外国人の調査は
経験と情報が鍵

 以前こちらで「探偵が恐れる調査対象者」として外国人対象者について触れました。

 外国人は、非常に警戒心と猜疑(さいぎ)心が強く、自分が調べられているのでは?と少しでも思うと、むき出しの敵意を向けてきます。問答無用でカメラを奪われて壊されたこともありますし、尾行車両を取り囲まれたこともありました。

 また、国が違えば性格や行動パターンも変わってきます。立ち寄るお店や独自のコミュニティーもあり、調査を成功させるためには経験と情報が鍵となります。

 まず、周りの外国人技能実習生に聞いてみると、「もっと稼げる仕事がある、一緒に行かないか?」と何度も誘われたことがあったとのことでした。

 またグムさんには職場の人以外に知り合いはなく、休みの日に1週間分の食料を買いに行く激安スーパーの外国人店員くらいしか話しているのを見たことがないという証言があったそうです。