なぜ日本は難民に冷酷なのか
いつもは「日本の◯○を外国人が称賛!」とか「外国人観光客が日本のおもてなしに感動!」みたいな話に大はしゃぎをしているのに、なぜ「外国人が日本に保護を求めている」という話になると、人が変わったように冷酷になれるのか――。
入管法改正案が衆議院を通過したことを受けて、日本の難民政策への批判が寄せられている。国際的ハッカー集団「アノニマス」を名乗るアカウントも抗議の意味で、法務省のホームページにサイバー攻撃をした。
ご存じの方も多いだろうが、国際社会の中で日本は「難民に冷たい国」というイメージが定着しつつある。難民認定が非常に厳しく、認定率は諸外国と比べて異常に低いわずか0.3%(2021年、出入国在留管理庁)だからだ。
この狭き門がゆえ、過去には祖国に送還されたら命の危険もあるような外国人の難民申請をはねつけた例もあるほどだ。
「それは欧州のように紛争国や政治が不安定な国が近くにないからだ」とどうにかして、「日本いい国、すごい国」という方向で押し切りたい人も多いだろうが、日本と同じく四方を海に囲まれて、近くで紛争のないオーストラリアには世界中から飛行機で難民がやってきており、認定率が高い。日本が「難民に冷たい国」というのは否定し難い事実なのだ。
では、なぜ日本の難民認定は厳しいだろうか。