年金イメージ写真はイメージです Photo:PIXTA

企業の顧問社労士として、数多くの労務問題を解決してきたカタリーナ。オンラインのよろず労務相談には、経営者・労働者を問わず、さまざまな相談者が訪れる。本日の相談者は、定年が気になり始めているという建設会社に勤務する男性(56)。60代になっても会社でバリバリ働き続けたいと考えているが……。

高齢者版「就労の壁」?
在職老齢年金とは

カタリーナ 「こんにちは!社労士のカタリーナです。益田康介さんですね。今日はどんなご相談かしら?」

益田 「最近、定年後のことが気になり出して。うちの会社は60歳定年ですが、その後も再雇用で働く人が多く、私もそのつもりでいます。まだまだ稼がないとね」

カタリーナ 「建設業界はかなりの人手不足だし、割と好条件で仕事が続けられる可能性が高いんじゃないかしら?」

益田 「先輩たちの話を聞くと、待遇はまずますといったところです。ただ、聞き捨てならないことを小耳に挟んでしまって」

カタリーナ 「というと?」

益田 「最近年金をもらい始めた人が、稼ぐほど年金がカットされるって言うんです。高齢者版『就労の壁』だって嘆いていましたよ。そんなことあるんですか?」

カタリーナ 「就労の壁とか、年収の壁とか、そういう人もいるわね。60歳以降に厚生年金保険に加入しながら受ける老齢厚生年金を『在職老齢年金』というの。賃金と年金額に応じて、年金の一部、あるいはすべてが支給停止される場合もあるのよ」

益田 「えぇ!?そんなの初耳です。いくら稼ぐと停止されてしまうんですか?」