フランス版人間国宝とも呼ばれる「M.O.F.」を、日本人で初めて受章するという偉業を達成した、「ガストロノミー“ジョエル・ロブション”」の総料理長、関谷健一朗氏。世界最高峰のフランス料理のシェフになるような日本人はどんな人生を歩んできたのか?関谷氏にインタビューした。(講演・研修セミナー講師、マーケティング・コンサルタント 新山勝利)
→前編:フランス料理界「最高峰の称号」を外国人で初受章!“超難関審査”の舞台裏を関谷シェフが明かす
トリコロールカラーのコックコート
写真で関谷健一朗氏が身に着けている、襟にトリコロール・カラー(フランスの国旗、青・白・赤の3色)が付いた白のコックコートは、M.O.F.受章者だけが着用を許されるものだ。
仕事中はM.O.F.のメダルを下げているわけにはいかない。トリコロールの襟は、メダルの代わりも兼ねている。このコックコートはフランス製で、オーダーをするときにはM.O.F.協会の会員証を提示しないと作れない。M.O.F.受章者は、このコックコートを一生涯身に着けることができる、と法律で定められている。
関谷氏はこのコックコートについて、「着用時よりも、ハンガーにつるされているのを見たときに実感が湧いてくる。タイトルに見合う仕事ができるよう、覚悟を持って着ないといけない」と話していた。
関谷氏はこれから、厨房(ちゅうぼう)では、必ずこのコックコートを着ることになる。