5年先、10年先まで見越して手を打つ
――坂上:
そこも差別化と好業績に繋がっているのですね。では最後のNo.1ポイント、企業の実行力についてお聞かせ下さい。
松井:
グローバル展開で一番大切なのは、各国・各地域のローカルなマーケットにいかに対応するか、という点になります。たとえば過去、海外から日本へさまざまな大手企業が参入しましたが、その多くは消費者たちの間に根付くことなく撤退していきました。これは、その企業が日本のマーケットに対応するだけの力量を持っていなかったということです。
中国には中国の、ヨーロッパに行けばヨーロッパの、独自の商慣習や文化があります。弊社が海外へ店舗を出す時は、短期、中期、長期の課題を明確にし、5年先、10年先まで見越して手を打っています。こうして全社の構造を速やかに一点へ集中して、マーケットに適合させていく。それを実行できる力があれば、海外のみならず国内での競争も有利に展開していけるようになります。
年間で8000万人が来店する良品計画。商品の「本質的機能を追求する」というコンセプトこそが継続的な好業績を作りだす力の源泉なのかもしれません。
一時的に業績がよくなるのはある意味簡単ですが、ずーっと業績がいいというのはとても難しいものです。そのためには、お客様の8割である女性に「また行こう」と思ってもらう努力が必要です。
現場の徹底力に優れ、地道なファンづくりを続けている会社といえます。
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