部下と話す上司写真はイメージです Photo:PIXTA

いわゆる「Z世代」に当たる今年の新入社員。上司や先輩が励ますつもりで声を掛けたら、新人からなぜか反感を買ってしまった。マネジメントが難しい……といった声を聞きます。良かれと思った声掛けが逆効果、という事態はなぜ起きてしまうのでしょうか? マネジメントする際は、上司はまずは「関係構築」、そして長期的には「共感創造」の2つのステップを押さえることが重要になります。前回の記事で解説した「関係構築」に続き、今回は「共感創造」について解説していきます。(リンクアンドモチベーション カンパニー長 宮澤優里)

マネジメントの土台になる
二つのステップ

 前回もお伝えしたように、新入社員をマネジメントする際は、「関係構築」と「共感創造」という2つのステップを押さえることが重要になります。

 まずは、新入社員と信頼関係を築くことが重要です(関係構築)。ここができていないと、「上司が伝えたことを受け止めてもらえない」「新入社員が悩みを抱えていても相談しない」などの問題が起き、新入社員が成長・活躍できなくなったり、最悪の場合は早期の退職に至ったりする可能性があります。 「関係構築」は、マネジメントを機能させるための必要条件です。関係構築ができているというだけでは、「成果を出して会社に貢献したい」という気持ちまで醸成することは難しいでしょう。

 その上で重要なのが、会社や職場に対する新入社員の共感を創造することです(共感創造)。高いモチベーションを持って働き、会社に貢献し続けてもらうためには、信頼関係をベースに会社や職場へのポジティブな共感を生み出し、「この会社・職場で働き続けたい」と思ってもらうことが重要です。

 最近の若手社員のキャリア観は多様化しており、仕事に対してやりがいや成長実感を求める傾向が強いと言われます。管理職世代は役職や給与を重視してきた傾向にありますが、今の若手社員は全員が出世したいとは限りません。このように多様な価値観を持つ新入社員に活躍し続けてもらうためには、会社や仕事に対する共感を引き出して、モチベーションを高めていかなければいけません。そこで今回は、この「共感創造」の心構えやポイントについて解説していきます。