写真:JR東海会長の金子慎JR東海会長の金子慎 Photo:SANKEI

斬新な発想で
時代の先端を走る卒業生

 県下で最初の旧制中学・富山中学校として1885年に発足したのが、富山県立富山高校だ。明治時代から、時代をリードする有為な人材を輩出してきた。

 発想が斬新で、時代の先端を走る卒業生を、紹介しよう。

 インターネットのベンチャー企業「ホットリンク」を創業し、社長・CEO(最高経営責任者)を務める内山幸樹(1971年生まれ)が、OBだ。同社を2013年12月に東証マザーズ市場(現東証グロース)に株式上場させた。

 インターネットの世界ではこの十年、「ビッグデ―タ」という概念の重要性が強調されている。ネット関連のベンチャー企業はたくさんあるが、ホットリンクはその中でも、「ビッグデータ」解析を得意としている、まさに最先端企業だ、

 内山は、東京大に進学し船舶海洋工学の博士課程を中退したが、大企業には就職しなかった。検索エンジンの開発などに情熱を燃やし、今日の業態を切り開いた。

 内山より25期後輩になるが、古井康介はPOTETO Mediaというユニークな社会事業の企画会社を立ち上げた。大臣、各党党首など政治や行政の広報・PR役を担うのが仕事だ。

 古井は富山高校から慶応大経済学部に進学、在学中の2019年にはキャンパスベンチャーグランプリ経済産業省関東経済産業局長賞などを受賞した。

 テレビ界で活躍しているOGもいる。内山より1期後輩の高成麻畝子は、TBSでドラマ制作にかかわり、08年に『Around40~注文の多いオンナたち~』のプロデュ―サ―をした。

 この番組がきっかけとなり「アラフォー」(40歳前後)という略語が定着し、08年の流行語大賞・年間大賞に選ばれた。

JR東海会長や
東急電鉄社長がOB

 経済人では、北陸電力初代社長の山田昌作がいた。北陸地方に林立していた電力会社を統合し、近代富山の礎を築いた。

 2015年からは金井豊が北陸電力の社長に就き、21年からは会長だ。北陸経済連合会会長でもあり、富山高校同窓会長も務めている。富山高校理数科―東大工学部卒だ。

 金子慎は、18年にJR東海(東海旅客鉄道)社長に就き、23年4月からは会長だ。富山高校理数科―東大―国鉄という経歴だ。