ぼくもメディア取材をうけることあるんです。そのときにフォトグラファーの方がくるんですけど、撮影したあとフォトグラファーがライターさんや編集者さんと写真の確認をするんです。あの時間めちゃくちゃ不快ですよ。もう最悪。

 喩えるなら目の前でひそひそと内緒話をされてる感覚。自分の顔のドアップを見られ、なんかいわれてるわけですよ。やられてみたらわかります。最高に嫌だから。悪意はなくとも被写体を置いてきぼりにする行為です。

 撮った写真をその場で確認するっていう行為は、意味がないうえに相手に不快感を与えてるだけなので絶対やめたほうがいいです。確認をするぐらいならもっとたくさん撮ればいいだけ。

 ただ写真を確認するメリットがひとつあります。それは撮影した側の人の不安を解消できることですね。写真を撮った後に視線をカメラに向けるだけで自分の不安と緊張をほぐせるんですよ。集合写真を撮る人なんかいい例。思わずカメラのモニターを見るんです。大人数の確認なんかできるわけもないのに。あれは大人数の視線から目を背けたいんです。

 自信がない人ほど意味のない確認をする。自信がない人ほど確認なんかしないでたくさん撮ったほうがいいわけです。モニターで写真を確認した瞬間、被写体との間に溝ができます。マジでやめましょう。

写真に自信がない人こそ
シャッターを押しまくれ

 写真がダメな人には決定的な原因がひとつある。本当はひとつじゃなくて知識や性格やコミュニケーション能力だのいろいろあるんだけど、精神論や技術論ではなく単純な方法論だ。写真がダメな人は圧倒的に撮る枚数が少ない。舐めてんのかってぐらい撮影枚数が少ない。

 使い捨てカメラの「写ルンです」は27枚と39枚のタイプがある。一般的なフィルムは1本36枚撮りだ。小学生でも高齢者でも、はじめて写真を撮った人でもベテランでもどんな人でも不思議なことにフィルム1本撮れば1枚はなんとなくいい感じに撮れた写真があるのだ。