初心者だけではなくプロであっても「うまく撮れているだろうか」と不安になるもの。だからこそ、誰もが撮影途中にモニターで確認をする。ところが、写真家の筆者は、その行為を絶対にしないという。それでも「いい写真」をモノにし続けている理由とは?※本稿は、幡野広志『うまくてダメな写真とヘタだけどいい写真』(ポプラ社)の一部を抜粋・編集したものです。
撮影中にモニター確認する
ヒマがあったらもっと撮れ
ほとんどの人がやっているけど、絶対にやらないほうがいいことがあります。むしろこれやってるのは仕事で写真を撮ってる人のほうがやりがちです。仕事で撮ってる人からすると必須作業なのかもしれません(ぼくはやらない)。
写真を撮るとモニターに写真が自動的に再生されますよね。表示されちゃうから思わず見ちゃうじゃないですか。自動で再生しない設定にしましょう。全カメラメーカーに大声で伝えたいけど、デフォルトで表示しない設定にしてほしいです。これのおかげで写真嫌いの人を増やしてますよ。iPhoneはよく考えてるんですよ、iPhoneは自動的に再生されません。
写真を確認しないほうがいい理由は2つあります。まず1つめは確認に意味がないということです。そもそも何を確認してるんですか?ちゃんと撮れてるか確認しているんだと思うんです。じゃあちゃんと撮れるってなんですか?
目をつぶってないか、ブレてないか、ピントが合ってるかってことだと思うんです。そんな細かいことはカメラの小さいモニターでは確認できないんですよ。だからプロの人はパソコンの大きなモニターで確認します。
カメラのモニターでも拡大すれば確認できますよね。再生ボタン押して拡大して、表示された場所を移動して……。それ何秒かかるのよ?20秒確認するんだったらその時間で20枚撮ればいいんですよ。目つぶりなんて生理現象だし、ピントも毎回オートで合わせて、ブレに気をつけて撮るの。
そもそもフィルムのときには確認なんかできないわけですよ。フィルムは確認できないから、たくさん撮って現像してからいい写真を探すの。こっちのほうが圧倒的にいいです。
どうして圧倒的にいいかというのが2つめの理由。写真の確認をするのは相手に不快感を与えるからです。20秒の確認時間。被写体にとっては最悪な時間ですからね。