中国の不動産危機を象徴する存在だった中国恒大集団(チャイナ・エバーグランデ・グループ)が一つの幕引きを迎えた。だが、恒大が転落する引き金となった混乱はまだ終わっていない。香港の裁判所は29日、中国不動産大手の恒大に対して清算命令を出した。債務再編を巡り、またしても債権者と合意できなかった。恒大のドル建て債のデフォルト(債務不履行)を受け、空前の不動産ブームの抑制を目指す中国当局の取り組みが新たな局面に入ってから既に2年以上が経過していた。今年も昨年と同様、じわじわと進行する不動産部門の崩壊がもたらす打撃の深刻さが顕著になるとみられる。世界経済は3年連続の成長鈍化が見込まれる中、中国は景気浮揚策を模索している。
中国の不動産不況、終息なお遠く 恒大清算でも
成長の重荷となっている不動産市場、下支えに向けた大胆な政策を求める声が多い
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