これは3社に限った話ではなく、この間、トヨタディーラーの車検不正問題が発生したほか、直近ではデンソーの燃料ポンプ大量リコール問題など数々の問題が表面化している。

 豊田会長は30日の会見で、トヨタグループで相次ぐ不正への責任を問われて「14年間、トヨタ自動車社長として赤字で引き継ぎ、危機の連続で正直、ゆとりがなかった。トヨタを立ち上がらせるのに精いっぱいだった」と、反省の弁を口にした。加えて、「昨年、社長を譲って会長になったことは大きな変化点。トヨタグループとして再生するようリードしていく」と、会長マターとしてトヨタグループ再生へ全力を注ぐと力を込めた。

 昨年4月に世代交代して佐藤恒治氏(54歳)にトヨタ社長の座を託したが、豊田会長はまだ67歳だ。トヨタおよびトヨタグループの総帥として、信頼回復と各社の立て直しに今後、どう具体的に動いていくかが重要であり、次の一手が注目されよう。

(佃モビリティ総研代表・NEXT MOBILITY主筆 佃 義夫)