日野自、ダイハツ、豊田自動織機…
グループで多発した不正発覚

 日野自動車のエンジン認証不正の発覚は22年3月だったが、その後の調査で2003年から不正が続いていたことも判明していた。23年5月末に親会社のトヨタは独ダイムラー傘下の三菱ふそうと日野自の統合を発表し、24年末までに日野自・三菱ふそうが統合して、商用車メーカー再編にまでつながるものとなった。

 ダイハツは、23年4月に内部告発で明らかになった側面衝突試験の不正が当初取り沙汰されたが、それから半年を経過した第三者委員会の報告では174件もの試験不正があったこと、それらが1989年から30年以上続いていたこと、さらに2014年以降に不正行為件数が増加していることが明らかになった。これにより、12月26日からダイハツ全工場で全車種出荷停止という異例の事態に陥った。

 なお、ダイハツといえば明治40年創業の最古参スモールカーメーカーで、大阪府池田市ダイハツ町1番1号を本社とし、大手自動車メーカーで唯一関西を地盤とする。

 トヨタとの関係は1967年の業務提携に始まり、98年にトヨタがダイハツ株の過半(51%)を取得して子会社化、2016年には100%出資の完全子会社となった。

 かつては小型三輪車の「ミゼット」で一世を風靡(ふうび)するなど「在阪メーカーの気概」を持った自動車メーカーだったが、トヨタとの連携が深まる中で、開発期間の短縮・構造改革のプレッシャーなどが不正を増加させたという見方もある。

 そうでなくとも、16年に社内カンパニーとして発足した「新興国小型車カンパニー」はダイハツを軸として始動しており、それらの経営判断を行ったのが豊田会長自身なのだから、ダイハツ立て直しはまさに豊田会長が「グループ責任者」として取り組むべきテーマであり、喫緊の課題となろう。