イーロン・マスク氏のドーパミンはまさに乱高下しているだろう。マスク氏は1月29日、自身が創業した、脳にコンピューターを埋め込む事業を手がける新興企業ニューラリンクの画期的な成果を祝った。だがその翌日には、電気自動車(EV)大手テスラが6年前に同氏に支払うことを決めた過去最高額となる558億ドル(約8兆2300億円)の報酬パッケージについて、裁判所が不公正だとして無効の判断を下した。デラウェア州衡平法裁判所のキャスリーン・マコーミック裁判長は判断に至った理由の中で、2018年に株主に承認されたこの報酬は、マスク氏にとって「ドーパミンヒット(脳から得る喜びや報酬)」のようなものとなるはずだったと指摘した。マコーミック氏は、テスラのある元取締役の証言を引用した。それは、テスラの時価総額を6000億ドルも増やすといった極めて高い目標を達成した場合の見返りとして、このような高額な報酬を同社取締役会がマスク氏に約束したというのだ。
脳内チップとテスラ高額報酬問題、マスク氏の明暗
この二つは切り離せない関係にある
有料会員限定
あなたにおすすめ