米メタ・プラットフォームズのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が前回財布のひもを緩めようとした時は、株主が手を引いた。2年でこれほど反応が変わるとは。メタは2023年10-12月期(第4四半期)の好決算を受けて2日に株価が20%急上昇した。併せて自社株買いの増額と、同社初となる配当実施も発表。昨年3倍近くに上昇していた株価が一段高となったことで、時価総額は再び1兆ドル(約149兆円)を突破。米アップル、米マイクロソフト、米ネット通販大手アマゾン・ドット・コム、米画像処理半導体(GPU)大手エヌビディア、米グーグル親会社アルファベットという数少ない仲間に再び加わった。フェイスブックから社名を変更したメタは、ザッカーバーグ氏がメタバースへの関心を示し始めた21年後半に、不本意にもこの「1兆ドルクラブ」から追い出された。メタバースは、仮想現実(VR)・拡張現実(AR)機能を備えたデバイスなどを通じてアクセスする仮想空間とされている。同社が社名変更や、年間設備投資額を80%近く増やすなどの思い切った決断をすると、株主は懸念を強めた。VRはそれまで、業界としては不発に終わっていた。だがフェイスブックのCEOであり支配株主でもあるザッカーバーグ氏は、この夢を追うのをやめなかった。
メタバースを諦めなかったメタ
広告事業が回復、AI増強で設備投資は急増
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