そんなこと言うと盆栽の偉い方たちから怒られてしまうかもですが、でも、だからこそ「アイドル」という文化は日本特有のものであり、これは「マンガ」や「アニメ」にも通じるところがあります。
盆栽作家の巨匠、小林國雄氏は「植物を育てるのに必要なのは、水と光と温度、そして人間の愛情、時間をかけて目標を達成していく喜びが盆栽の神髄」とおっしゃっています。アイドルも正にその通りで「効率的な育成」などとは無縁な存在であり、そこには育てる側の「匠」としての強い信念と愛情が必要なのです。
小倉唯と石原夏織のユニットが
つかんだ初音ミクのお仕事
小倉唯を採用したあと、第2回オーディションで石原夏織を見つけ、ライブ活動などを経てアイドル声優を生み出す試みが少しずつ形になってきました。
その過程で、小倉唯と石原夏織によるユニット『ゆいかおり』が生まれます。イベント出演を重ねるなかで、そうした機運が少しずつ高まり、ふたりが自発的にイベントのなかで「ふたりでやります」と宣言する形で始まったユニット活動でした。
その後、とらのあな限定で2009年にCDを出し、翌年にはスターチャイルドから、テレビアニメ『kiss × sis』のEDテーマ「Our Steady Boy」でメジャーデビューすることになります。
この流れを作ることができたのも、それまで定期的に行っていたライブ企画が業界へのプレゼンテーション公演となっていたことがとても大きいです。
『ゆいかおり』のデビューは、2007年にPlayStation Portable 専用ソフトとしてSEGAさんから発売されたゲーム『初音ミク -Project DIVA-』に、モーションアクターとして小倉唯や石原夏織が参加していたことがリンクしています。
スタイルキューブはSEGAさんとのお付き合いも長く、SEGAさんにはスタイルキューブがアップフロントと行っている事業展開、なかでも歌や踊りをゲームに盛り込むためのリソースについては伝えてあって、そこから『初音ミク -Project DIVA-』のモーションアクターのお仕事が来ました。