「モテるためには一緒にいて楽しくないといけないので、男性が好きであろうジャンプ系やマガジン系の少年漫画を読んだり、サッカー、野球などのスポーツも調べ尽くしました。サッカーだったら、日本のサッカー事情だけだとにわかっぽく思われるかもしれないので、プレミアリーグなど海外リーグについても調べました」

娘がテストで98点を取ったのに
足らないところに目が行く母だった

 大学時代は大手企業や飛び込み営業のインターン、ギャラ飲み(謝礼を受け取って参加する飲み会)をするなど、コミュニケーション能力が求められるような活動に邁進していた。一時期はマッチングアプリにもハマっていたという。

 派手な学生生活を送っていたのかと思いきや、体育会のとある運動部に入部し、週の時間の多くをハードな練習や走り込みに費やしていた。身体を動かしている間は人と話さなくてもよい点が魅力的に感じたのだという。

「本当は早稲田大学に入りたかったのですが、落ちちゃったんです。それで青学に入学したのですが、美男美女しか入れない通称『顔専』のサークルがあったり、着ている服のブランドで品定めされたり、衝撃的なことがたくさんありました。物事を表層で判断されることが多い学校だったように思います。そんな環境だったので生きやすさを感じたことはありませんでした」

「キラキラしたサークルには馴染めないと思ったので体育会の運動部にしました。運動中は一言も話さないし、呼吸がしんどくてドーパミンがドバドバ出ているのを感じられて。負荷をかけて報酬を得るというサイクルが体に染み込んでいたので、部活はちゃんと続けました」

 高松さんには「何者かにならないといけない」というプレッシャーが強くあった。彼女の母親は、テストで98点を取ったときに悪気なく「なんであと2点取れなかったの?」と言ったり、ショッピングの際に「この服かわいいけどあなたは太ってるから入らないね」と言ったりするような人だった。